2006年7月25日火曜日

日経新聞広告から

先週末の日経新聞の全面広告ページに、ワイキューブ代表の安田佳生氏と伊藤塾塾長の伊藤真氏の対談が載っていた。サンマーク出版の広告であったが、御両名の対談の中身は興味深かった。出版社の宣伝によると、安田氏の近著、「千円札は拾うな」は25万部、伊藤氏の「夢をかなえる勉強法」は16万部のベストセラーになっているそうだ。安田氏はリクルート勤務を経て人材コンサルティング会社を起業した人物のようだが、彼の発言の中で印象的だったのは以下。

「(前略)やはり、こだわり過ぎはよくない。捨てたくないものを捨てることに価値があると気づくまで、時間がかかり過ぎました。いまの自分は何をしたらいいのか、いまの自分の価値観だけで判断していたら絶対に成長できません。」

「結局、自分を一番縛っているのは、過去の成功体験なんですね。そのために不自由になっている人はたくさんいます。(中略)なまじ成功した体験があると、自分のスタイルというものを作ってしまっている人もいます。自分の個性ややり方をかたくなに守り、一手先の自由を得ることだけに固執していると、五手先を考えたらものすごく不自由になりかねないですよね。」

「人生にはフルモデルチェンジが何回か必要ですよね。マイナーチェンジの方が楽ですが、必ず限界が来る。部長に昇進したらもう一度ゼロからやり直さなければいけないのに、課長時代のまま、「70点の部長」からスタートだと考えてしまう人がとても多いんです。」

「飛び抜けて仕事ができる人は、おっしゃる通り想像力というか、結果から逆算する演えき的な思考能力が特に優れています。そうした人に比べて、同じ論理的思考能力の持ち主でも論理を積み重ねるだけの人は、長い間に年収にものすごく差がついてしまうような気がします。」

「そもそも新しいやり方というのは、常に常識外のところから出てきます。飛行機だって、論理の積み重ねだけでは生まれなかったはずです。人間は飛べないという結論を出して終わってしまうのではなく、いや飛びたい、飛べるはずだと考えたからこそ成功したんだと思います。」(注:この話はたしかナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」の中の逸話にもあったと思います)

「人生をより良く生きるということから考えたら、無駄なことなんてほとんどないんじゃないですか。無駄なことが嫌いだという人は、一手先ばかりを考えているからだと思います。」

一方の伊藤氏は司法試験合格指南のカリスマ塾長と呼ばれている人物とのことだが、彼の発言で心に残ったのは以下。

「そういえば私、新しい塾を開くときに弁護士資格も捨てました。周りからは、何てもったいないことをするんだとあきれられましたが。(笑い)」

「多くの司法試験受験生の勉強法を見ていると、未知の問題への対策が不十分なんです。試験には必ず未知の問題が出ます。それに対処するためには、膨大な量の既知の問題を分析し、そこから自分で未知の問題を考えてパターン化、解答のマニュアルを作っておく必要があります。」

「高い目標を持つことが大切だということは、司法試験の受験生にも言えます。合格する人に共通するのは、常に先を見据えていることです。弁護士、検察官、あるいは裁判官になったらこういう仕事をしたいという志を持ち続けている人なんです。」

「司法試験は努力したからといって、それが必ずしも報われるものではありません。(中略)でも、そこを断ち切るというか、捨てて次の世界に向かって行くところに大きな飛躍がある。その意味で、合格と不合格は実際には等価値なんです。長い人生を見たときには、幸せへの道は何本もあるのですから。」

さっそく、お二方の著作を購入した。

    

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ものすごく耳の痛い内容でズキズキしました。

「無駄が嫌いな人は一手先ばかりを考えている」という箇所は、特に胸にズキンと響きました。私は、同じことの繰り返し(何度も説明するとか…)は「無駄」の最たるものだと考えていました。しかも最近まで「無駄がない事」こそ「最良の方法だ」と信じていました。

「無駄」として切り捨ててきたモノたちが、どんなであったのか、全くといって良いほど記憶がありません。なんというか、物凄く自分が損しているというか、おろかな気分↓↓


このことに気が付いただけ、今日は良しとしようかな…明日からがんばります。。ちと、遅いかもしれないけど…。

良い気付きをありがとうございます。また、いろいろと教えてください。(^<^)