2006年4月25日火曜日

辛口でごめんなさい

Web1.0から2.0への変化が誰もはっきりと意識しない間にじわじわとしかし確実に起きつつあるように、世の中の革命的な変化というものは実は派手に起きるというよりも見えないところで潜行しながら発生するものらしい。しかし、革命というものは起こす人がいるから起こるのであって、世の中のごくごく一部の限られた人達が始動し出すと、さらにまたごく一部の人達が敏感にその動きを察知して行動を起こし始め、そこに小さな連鎖が発生し始める。結果的に、革命が起きることのサインはいろいろな形で出始めるのだが、それに本当に大衆が気付き始めるのはかなり後になってから、ということなのだろう。このような遷移に関して、梅田望夫さんがやはり最近のベストセラーとなっている「ウェブ進化論」(ちくま新書)の中で、「タービュランスの発生」→「メディアアテンションのフェーズ」→「バブルの発生と崩壊」→「大規模な構築ステージ」という分類でみごとに整理している。

リーダーの資質としての「品格」ということに関して前に少し論じたが、政治家や会社の経営者などいわゆる世の中のリーダーに求められる別の資質として、「①革命を起こす資質」を持っているのがベストであろう。その次に来るのは、「②革命を察知してそれに最も早く追随出来る資質」、その次が「③革命が顕在化してから迅速にそれに追随出来る能力」と来て、最後に来るのは「④革命が起き、世の中が完全に変わったにも関わらず依然過去の成功体験にこだわり変化を拒む態度」となるだろう。

企業というものの一生もまずは①か②のレベルでの起業があり、その後の繁栄期を経て、最後は③のレベルで結局追随できないまま衰退していくか、最悪は④のレベルでの自然死か突然死、ということになるのが大抵のパターンであると思われる。一旦、繁栄期を経て図体が大きくなった企業が、再び①や②のパターンに戻って再生する、というのはほとんど奇跡に近いことのように思える。つまるところ、リーダーとしての経営トップの資質次第ではあるが、今の日本の所謂大企業にもっとも求められるのは年齢を問わずそのような奇跡を演出できるレベルの非凡な人材であると思われるのに、失礼ながら、依然として登場感や存在感の希薄な年配の顔ぶれが多いように感じられるのは日本ながらの年功序列の名残のせいなのであろうか?

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