2006年4月23日日曜日

「品格」ということについて

藤原正彦氏の「国家の品格」(新潮社)が引き続きベストセラーとなっている。独特の毒舌、極論とも思える主張の中には共感出来る事が多い。藤原氏が若かりしころに著した「若き数学者のアメリカ」をやはり自分も若かった頃に読んだ。こちらも自分の留学体験とも重ね合わせて大いに共感できる内容であったと記憶している。藤原氏のことは、実はそれ以来、すっかり忘れていたのだが、最近、この「国家の品格」を拝読して、持ち前の正義感や反骨精神が氏の内面において継続して進化し、日本人に大きな影響力を与えるに至っていることを非常に心強くまた嬉しく思っている。

今や「品格」という言葉は死語に近いほど、国家も、企業も、そして個人も、「品格」というものに頓着しない世の中になっていると感じることは実際に多い。藤原さんの本が売れるのは、そういうことを気にしている日本人が決して少なくはない、ということなのであろう。

結局、行き着くところはこのブログのテーマでもある「人はなぜ生まれ生きるのか?」ということであり、我々一人一人の生き様の問題である。品のない人の多い企業は品のない企業になるし、品のない人の多い国家は品のない国家となる。個人の品格を決める要素には、①持って生まれたもの ②家庭教育・躾 ③学校教育 ④友人関係 等々、さまざまな要素があると思うが、この際、自分にはどの程度の品格が備わっているのか?品格に長けた部分と欠ける部分があるとすればそれらがどういうところで、何に根ざしているのか?ということをいろいろと棚卸してみるのも良さそうだと考えている。

リーダーを目指す人間は品格においても秀でていなければならない、ということはまさに理屈ではない。品格のない人がトップになった組織は悲惨である。。。

    

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

日本には品格のある指導者が必要なのです。
学級崩壊やNEETの問題の根底は、品格のある指導者が少なくなったからだと思います。
選挙でジャンケンをやっている政治家は、恥ずかしくて見てられません。

匿名 さんのコメント...

読みました…
論理と屁理屈は紙一重。アメリカに暮らしていると論理なんて本当に脆いものだと痛感します…
スケールの大きい人間になるためには美しい情緒と審美眼が必要かぁ。もうすこし、この作者の主張を聞いてみたい気がしました。

MasterMind0710 さんのコメント...

am@nyさんへ

コメントどうもありがとうございます。リクエストにお応えして「若き数学者のアメリカ」もリンクしておきました(笑)。こちらは作者が若かりし頃にアメリカで数学者として教鞭をとった時の奮闘記で、私も若い時に読みました。その後、読み返してはいませんが、自分のスタイルに何らかの影響を与えてくれた本だと思います。若かりし頃の作者と、今の作者を対比する上でも面白いと思いますのでお薦めです。